
M&Aノウハウ
最終更新日: 2026/10/15

後継者がいない、親族に引き継ぐか会社を売却するか決められないなど、事業承継の悩みを相談できる公的窓口が「事業承継・引継ぎ支援センター」です。
全国47都道府県に設置されており、中小企業・小規模事業者の承継を支援しています。相談は無料ですが、紹介先の民間M&A支援機関などへ業務を依頼する場合には、費用の確認が必要です。
本記事では、支援内容と費用、民間M&A仲介会社との違い、相談の進め方を解説します。承継方法がまだ決まっていない方も、売却を具体的に検討している方も、自社に合う相談先を選ぶ参考にしてください。
公的窓口へ相談したい方は、全国の事業承継・引継ぎ支援センター一覧から、お近くの窓口を確認できます。
事業承継・引継ぎ支援センターは、国が設置する事業承継の相談窓口です。親族への承継や、従業員・第三者への引継ぎなど、事業の将来について相談できます。
相談先を探す段階では、まず「誰に引き継ぎたいか」「いつ頃までに引き継ぎたいか」「何が不安か」を整理しておくと、話を進めやすくなります。答えが決まっていない項目は、そのまま相談事項として伝えましょう
事業承継は、経営者の交代だけで完了するものではありません。後継者の準備、経営上の課題、関係者との調整など、段階的に考える必要があります。
センターでは、地域の支援機関や金融機関と連携した課題整理、事業承継計画の策定支援を行っています。「何から始めればよいかわからない」という段階でも、相談先の選択肢になります
中小機構は、センターでの無料相談と、外部専門家と連携した無料の事業承継計画策定支援を案内しています。一方、紹介された民間M&A支援機関による支援は有償です。
そのため、相談窓口が無料であっても、会社の売却や事業の引継ぎに関わるすべての業務が無料になるわけではありません。また、専門家が関わるという理由だけで、必ず有料になるとも限りません。
実際に業務を依頼する前に、次の点を確認しましょう。
民間の支援機関に依頼する際は、着手金・中間金・成功報酬の有無に加えて、成功報酬の計算対象と最低報酬額を確認します。同じ料率でも、計算の基準や最低報酬によって支払総額が変わるためです。
見積もりを受けるときは、想定する譲渡条件を伝え、消費税や別途必要になる専門家費用も含めて確認してください。手数料と支援業務の説明を受け、納得したうえで契約することが大切です。
センターと民間仲介会社は、連携して事業承継を支援する場合もあります。公的・民間という区分だけで決めず、必要な支援を受けられるかを比較しましょう。
比較項目 | 事業承継・引継ぎ支援センター | 民間M&A仲介会社 |
|---|---|---|
相談のテーマ | 親族への承継、後継者不在、第三者への引継ぎなど | 主に売却・買収の検討や実行支援。会社ごとに対応範囲が異なる |
費用 | 相談は無料。紹介先への業務依頼などは費用を確認 | 相談料、着手金、中間金、成功報酬などを個別に確認 |
相手先探し | センターのネットワークや民間機関との連携を活用 | 得意業種、対応規模、候補先の探し方を個別に確認 |
成約までの対応 | 案件に応じて専門家・民間機関と連携して支援 | 契約で定めた範囲の業務を支援 |
選ぶ際の確認事項 | 自社の課題への対応方法、担当窓口、紹介先との役割分担 | 担当者の経験、支援内容、費用、契約条件、情報管理 |
センターについて「相談だけで終わる」、民間仲介会社について「必ず早く・高く売れる」と一律に判断することはできません。具体的な支援内容と、自社の希望との相性を確認してください。
承継方法が未定の場合は、誰に何を引き継ぐか、経営上の課題は何かを整理する相談から始めます。
売却を具体的に検討している場合は、想定される買い手、譲渡までの進め方、希望条件、支援にかかる費用を確認します。複数の説明を聞く際も、同じ条件を伝えると比較しやすくなります。
仲介会社は売り手・買い手双方の間に立って支援し、FAは原則として一方の依頼者を支援します。仲介では利益相反が生じ得ることも理解し、誰と契約し、どの立場で助言するのかを確認しましょう。
相談先の種類をさらに比較したい方は、M&A・事業承継の相談先と相談方法もご覧ください。
自社の売却可能性や事業価値を具体的に検討したい方は、シェアモルM&Aへご相談ください。現在の事業内容や希望する引継ぎ方を伺い、M&Aの進め方をご案内します。
親族などへの承継を考える場合には、後継者候補の意向と準備状況を確認し、取り組む課題を整理します。計画には、誰が、いつまでに、何を準備するかを落とし込むことが大切です。
センターは、地域の関係機関や専門家と連携し、事業承継計画づくりを支援します。日々の経営と承継準備をどう両立するかも、相談時に伝えましょう。
親族などに後継者がいない場合には、第三者への引継ぎが選択肢になります。センターでは、候補先の紹介や民間機関への橋渡し、専門家との連携を通じた成約に向けた支援を行っています。
起業を希望する人と、後継者を探す事業者を結ぶ「後継者人材バンク」もあります。
相手先探しでは、価格だけでなく、従業員の雇用、屋号、取引先との関係、経営者自身の引継ぎ期間など、重視したい条件を整理して伝えましょう。
全国の事業承継・引継ぎ支援センター一覧から、相談先の公式サイトを確認します。予約方法や面談形式、必要資料は、各窓口の案内に従ってください。
初回相談に向けて、以下をメモしておくと説明しやすくなります。
整理する内容 | 具体例 |
|---|---|
事業の概要 | 主な商品・サービス、所在地、従業員数 |
後継者の状況 | 候補者の有無、本人との話し合いの状況 |
希望時期 | いつ頃までに引き継ぎたいか |
承継後の希望 | 雇用や屋号の維持、経営者の関与期間 |
不安や課題 | 借入れ、収益、候補先、費用、情報管理 |
会社案内や直近の決算書などは、状況を説明する資料になります。ただし、これは準備の目安です。すべてをそろえることが初回相談の一律の条件ではないため、必要資料は予約時に確認してください。
面談では、必要な支援と次の行動を確認します。専門家や民間機関の紹介を受ける場合は、紹介後の担当者、業務範囲、費用、連絡窓口を整理しておきましょう。
誰が何を担当するかを書き留めておくと、同じ説明を繰り返す負担や、依頼内容の認識違いを減らしやすくなります。
無料相談を通じて、自社の状況を整理するきっかけを作れることがメリットです。売却先探しに限らず、親族などへの承継準備も相談できます。
一方、相談しただけで希望する相手や条件が決まるわけではありません。希望条件には優先順位を付け、譲れない点と調整できる点を分けておくとよいでしょう。
第三者への売却を検討する場合は、従業員や取引先への影響も考えて情報を取り扱う必要があります。相談先へ、企業名を伏せて紹介する段階と、企業名や詳細資料を開示する段階について確認してください。
候補先への開示前に自社の意向を確認する手順、秘密保持の取り決め、資料を共有する相手も、依頼前に話し合っておきましょう。
別の機関から意見を聞くことと、複数の仲介会社へ同時に業務を依頼することは異なります。すでに契約している場合は、専任条項や直接交渉の制限、秘密保持に関する条件を確認してください。
相談できる範囲がわからない場合は、契約先に説明を求め、他の相談先にも契約状況を伝えましょう。
後継者不在も相談の対象です。親族への承継や第三者への引継ぎなど、現状に合う方向性を相談してください。
個人事業主の引継ぎも支援の対象になります。後継者人材バンクでは、後継者不在の会社や個人事業主と、起業を希望する人とのマッチングを支援しています。
センターは、民間機関を活用したM&Aのセカンドオピニオンとしても利用できます。相談時には契約状況を伝え、資料の共有範囲も確認してください。
承継方法や課題を整理する段階で相談できます。売却を含む選択肢を検討中であることを伝え、まず何を確認するべきか相談しましょう。

事業の引継ぎを進めるには、希望する時期や条件を整理し、自社に必要な支援を選ぶことが大切です。売却を検討する場合は、事業価値の見通しと費用、候補先の探し方を合わせて確認しましょう。
シェアモルM&Aでは、会社・事業の売却や事業承継について無料相談を受け付けています。事業価値の無料算定にも対応していますので、現在の事業内容と希望する承継時期をお聞かせください。
譲渡企業様について着手金・中間金不要の完全成果報酬型で支援しています。成功報酬や依頼する業務の範囲は、契約前にご確認ください。
最終更新日: 2026/10/15
ミーティング時に貴社とシナジーのあるクライアントの概要をお伝えいたします。
無料で事業価値の算定も可能でございますので、まずはお気軽にご相談いただけましたら幸いです。
齋藤 康輔シェアモル株式会社 代表取締役
東京大学教養学部基礎科学科在学中、半導体(シリコン)のシミュレーションを専攻する傍ら、 後に上場する株式会社ムービン・ストラテジック・キャリアにてインターンとして勤務。
在学中に人材会社向け業務システムを開発し、大学卒業後は同社初の新卒社員として入社。
2007年3月に共同出資でマッチングッド株式会社を設立し、同システムを「マッチングッド」として販売開始。
12年の経営を経て、2019年1月に東証プライム上場企業の株式会社じげんに株式譲渡。
2019年9月、売却資金を元手にシェアモル株式会社を設立。
自身のM&A経験を通じて、買い手と売り手の間にある情報の非対称性や、M&A仲介会社が提供する付加価値に課題を感じ、 自身が心から依頼したいと思える、付加価値の高いM&A仲介サービスを目指して、IT・AI技術をフル活用したM&A仲介事業「シェアモルM&A」を展開中。